タンパク質は全てが分解されて「アミノ酸」になるわけではない。

「タンパク質」は、胃液(ペプシン)(消化酵素)によって、「ペプチド」(アミノ酸が3〜50個結合)に分解され、

「ペプチド」は、膵液(すいえき)(トリプシン・キモトリプシン)(消化酵素)により、「ジペプチド」(アミノさんが2個結合)になり、

「ジペプチド」は、腸液(ジペプチターゼ)(消化酵素)によって、「アミノ酸」に分解されます。

 

体に入った「タンパク質」は全て、一度「アミノ酸」にまで分解され、その後、必要な箇所・部所へいき、体を作るための材料として再合成される。

というのが一般的な消化/吸収のメカニズムです。

 

 

 

 

しかし、全てのタンパク質がアミノ酸になるまで分解されるわけではありません。

アミノ酸に分解されなかった「タンパク質(ペプチド・ジペプチド)」が小腸から吸収されると、そのタンパク質に反応し、アレルギー反応が起こります。

もし仮に全てのタンパク質がアミノ酸まで分解されれば、アレルギーは起こらないのです。

 

 

アレルギーは、「アミノ酸」に反応するのではなく、「タンパク質(ペプチド・ジペプチド)」によって反応し、起こるものだからです。

 

そして、乳児〜子供(10歳以下)に食物アレルギーが多いのは、タンパク質を消化・分解する能力がまだ低いため、多くのアレルゲン物質(アレルゲンタンパク)を摂ると、アミノ酸まで分解されず、小腸から入り、アレルギー反応を起こします。

 

例えば、卵。

卵のアレルゲンとなりうるタンパク質は、ほぼ「卵白」にあります。

卵白の中のタンパク質の中で最も強いアレルゲンとなるのは、「オボムコイド」です。

オボムコイドは、熱を加えてもタンパク質の構造が変わらず、アレルゲン性が低下しません。

(*熱を加えるとなぜ、アレルギー性が低下するかは別章にて)

そして、消化酵素に対しても高い安定をもっているので、分解されにくいのです。

アミノ酸に分解されなかったオボムコイドは体の中に入り、アレルギー反応を起こします。

 そして、卵白のタンパク質の54%を占めるのが「オボアルブミン」です。(オボムコイドは11%)

こちらは、加熱するとアレルゲン性が低下します、さらに消化酵素に対して不安定なので比較的分解されやすいです、

が、そもそも含有量が54%と多いので、消化・分解の力が弱い子供は、オボアルブミンの含有量に対して分解が追いつかず、全てをアミノ酸まで分解できません。分解されなかったオボアルブミンは、体の中で「アレルギー反応」を起こします。

 

 

ということで、乳幼児〜幼少時期の子供には、消化の良い食べ物を与えるのが良いと思います。